五感と、我が唯一の望み

先日、移動時間の合間に国立新美術館で「貴婦人と一角獣」展を鑑賞。

フランスの至宝、パリのクリュニー中世美術館の至宝「貴婦人と一角獣」の6面1組のタペストリーが奇跡の初来日とのこと。美術館のキャッチどおり、うっとりしました。

西暦1500年頃に制作されたと言われる6面のタペストリーは、それぞれ「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と人間の五感を表すとされ、最後の1面「我が唯一の望み」の意味については、「第六感」「心」等、解釈が分かれているとのことです。

ところで、絵画において「視覚」以外の、「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」を暗示する、というのは、現代においても、おもしろい試みではないかと思います。

商標についても、五感ブランディングと、視覚以外にも関心が払われるようになったのは比較的最近のことといえます。日本でも、「嗅覚」については、匂い(香り)の商標、「聴覚」については、音の商標(サウンドロゴ)が次回の商標法改正で導入されると考えられます。「触覚」「味覚」については、商標として保護する必要があるかは要検討ですが、人間の感覚としては等しく重要なことだけは確かですね。

ところで、6面目の「我が唯一の望み」(天幕上にその文字が入っている)は、やはり、最愛の人、を意味するのではないかな、と私は思います。

Photo_2

|

バレエ「海賊」

熊川哲也のKバレエカンパニー公演。オーチャードホール。

しかし熊川さんは怪我のため、代役の橋本直樹さんでした。しかし技術的には(芸術的には、私は理解が及びませんが)非常にすばらしかった。満足いく公演でした。しかし、「海賊」のストーリーについては「オセンにキャラメル」という言葉が浮かび、全幕をやるのは避けた方がよいかもしれません。

|

ドン・キホーテ

東京バレエ団のドン・キホーテ(東京文化会館、4月15日)を鑑賞。配役は小出領子&後藤晴雄。バレエ好きの妹の解説付き。

日本人ばかりのバレエは久しぶりのところ、まずはの感想としては、日本人も足が長くてまっすぐの欧米的な体型になったものだ、ということ。特にジュニアの体系に著しい。

また、群舞の粒が揃っていること、そして衣装のセンスの良さが目を引いた。第一幕前半の、オレンジを主体とした明るい衣装の配色がうれしく、元気のビタミンをもらった、というかんじ。全体として、気分転換には最適の舞台だった。

帰りに渋谷のシノアに。文化村の舞台ではないのに、バレエの帰りと言ったらピンクシャンパンをサービスしてくれた。これまたうれしかった。

|

ズービンメータ

休日の過ごし方で優先順位が高いのは、

1.仕事、あるいは仕事関係の資料読み、2.友人とホームパーティーなどで飲む、3.休養、あるいはぼんやりする、であるので、音楽や芸術関係へは、なかなか行き着かないところ、このところ妹がマメにチケットを取ってくれるので、無精な姉の休日もちょっと芸術づいている。

今回はほんとうに久しぶりの本格的なオーケストラ、ズービンメータとイスラエルフィル。曲目も重厚、「ツァトストラ」と「新世界」。そして演奏も重厚。

オケの力量は金管まで完璧な演奏か、ということが一つあると思いますが(ミスると目立つし)、ホルンのメロディーラインがちょっとボワっとなったところがあって、へえ、このレベルのオケでもこういうことがあるのね。

|

メゾソプラノ・リサイタル

ヴェッセリーナ・カサロヴァのリサイタルでサントリーホールへ。かつて合唱をやっていた時からメゾソプラノやアルトの迫力ある低音好き。

本日のプログラムはヘンデルなどのバロックが中心で、脳がα波で満たされ、もったいなくも、あるいは贅沢にも、ついウトウトとしてしまう至福の時。

ホールで、ついCDも買ってしまい、帰って、たまたま遊びに来ている夫の弟たちに「この歌手、美人でしょ~?」とジャケットを見せると(確かに美人ですよね)、「亜矢さんのがよっぽど美人だよ」だってムフフ。泊めてもらってるからって褒めすぎだわさ。

|

元禄忠臣蔵

国立劇場で、真山青果の元禄忠臣蔵を、10月から3ヶ月かけ、通しで公演。討ち入り後から大石最後の一日までの12月公演を鑑賞。

アクションはあまりなく、全編ほとんどが台詞劇。これをテレビで見ていたら、早く次の場面に移ってくれー!、とたぶん言いたくなるような延々と続く台詞なんですが、これが舞台だと不思議と退屈せず、引き込まれるものです。

舞台美術で、雪の白と、「最後の一日」の紅梅の赤が印象的でした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

空飛ぶ脚

昨夜は、オーチャードホールで、アイリッシュダンスのトリニティの公演。「空飛ぶ脚」というキャッチに引かれて、見に行きました。オペラや有名バレエ団に比べると格安でもあり。

「空飛ぶ脚」には納得し、群舞の美しさは心地よいものでした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

トゥーランドット(フィレンツェ歌劇場オペラ)

仕事のあと、時間に間に合うかと前日から緊張して駆けつけた、フィレンツェ歌劇場オペア、トゥーランドット(9月19日、NHKホール、ズービン・メータ指揮)。前回このオペラを見たのは、オペラ好きだった母と、同じNHKホールでロイヤルオペラによるもの。総じて地味な、いわゆる新演出が嫌いな母には、ちょっと地味めの舞台でした。

今回は、中国人チャン・イーモウの演出で、色彩的に非常に豊かで、しかも悪趣味に陥っていない、目で楽しめる舞台でした。プッチーニは中国に行ったことがなかったそうですが、蝶々夫人の演出も着物の着付けからして日本人に手がけてもらいたい、と思うのと同じで、やはり中国人演出は正解なのでしょう。

アリア「誰も寝てはならぬ」は、やはり感動もの。しかし、トゥーランドットがよほどの美貌でないとストーリー自体には非常にムリがあるところ、失礼ながらムーンフェイスで、しかも足を故障して車椅子の姫というのは、オペラというのは一義的に歌の芸術であって、ストーリー展開や歌手の見栄えは二の次でよいのか、と考えされられました。ひょっとすると、演出の魔術で幻惑し、ストーリー展開にもムリがない、と思わせることも可能かもしれないと思いますが。

妹といっしょの観劇後、おしゃれなワインレストランで記念にちょっとよいワインを奮発。かなり遅い時間でしたが、お店はそのオペラ帰りとおぼしき、おしゃれな人々でほぼ満席。BGMにも驚いたことにトゥーランドットの曲が流れていて、お店の人に聞くと、オーナーがオペラ好きとのことで、オーチャードホールやNHKホールの演目に合わせて曲を選んでいるとしたら、心にくいですね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

白鳥の湖(ハッピーエンド版)

3月に見たバレエ「白鳥の湖」がアンハッピーエンド版だったので、昨夜は久しぶりに正統派のハッピーエンド版「白鳥の湖」を東京バレエフェスティバルで鑑賞。

チケットを取ってくれた妹がバレエ通なので、いろいろと解説を聞きながら。ホールへ駆けつける前に仕事の人間関係ですごくいやな出来事があったので、なんだか別世界。

今回の講演では、舞台衣装の色彩的なコントラストに魅せられ(もちろん踊り自体にも)、結局ストーリーはどうでもよいのではないかと思う一方、しかし、観念的にも納得できる作品であれば、より感動も深まるのでは、という思いも。やはり、ハッピーエンド版は気持ちはよいものの、ストーリー的には「単純」と思え、もう少し理屈の通る演出にしてもよいのでは、とも思えたのでした。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

職人が生きにくい国

スイス在住の日本人の時計職人を取材した番組を見るともなく見ていて思うに・・・

なぜ時計の職人になるのに日本ではなくスイスに行ってしまうのか、それが問題。(その腕時計は一つが2000万(!)から7000万(!!)という高級手作り時計なのですが。)

かつての日本(というのが、いつまでのことか、それは定かではないですが)は職人が誇りを持って仕事ができた国だ、と思うのですが。フルートのレッスンをしていた時、大手楽器メーカーのフルートの技術者の方から聞いたのですが、「日本では職人の地位は低い(給料も安い)、自分はドイツに行こうかと本気で思う」と言うのです。

その方は、私たちアマチュアのフルートの合宿に好意で参加し、フルートを分解、調整していただいていたのですが、アマチュアが言うのもなんですが、その方の調整のあとは音が違う、と思いました。

米国のスペースシャトルの事故があった後で、新聞のコラムで、スペースシャトルが落ちるのは、米国の爪切りが切れないことに原因があるのでは、という。つまり、設計者の能力はすばらしいが、現場の職人の能力が落ちている、ということ。以前は日本が圧倒的に強かった技能オリンピックで、日本が勝てなくなったという話もあり、これは日本でも確実に起こっている現象のように思います。

頭で稼ぐサービス業、投資業(?)、IT関係といった人が高給を取り、優れた職人の後継者がいない。これは格差社会、などという問題ではなく、学校の教育からして、手に職、を軽視し、知識ばかりを偏重していることに問題があるのでは。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

より以前の記事一覧