トロントの国際会議(AIPPI)

2014年の海外出張は、5月のINTA(香港)もありましたが、

5月の事務所合併、9月のオフィス移転と、コトが多かったため、

ブログの更新は放置となっていました。

このたび、風邪をひいて家でおとなしくしている時間中に、

9月のトロント出張についてUPしておきます。

2014年9月15日(月)

エアカナダで羽田からトロントまでの直行便。フライトは順調だったが(11時間ちょっと)、13日の同便は6時間遅れだったとのこと。プレミアムエコノミーの席はJALのビジネスクラスくらいに広々の上、隣の席にも真ん中の島にも人がおらず、同クラスはガラガラ。後ろには女性の団体客。サービスは大味ながら快適。食事もまあまあおいしい。

9月半ばのトロントは気温が東京に比べてかなり低いが、寒いというほどではない。長袖に上着かコートで十分で、厚いコート、マフラーは不要。

街の光景は、やたら建設工事中が多く、騒音やほこりがすごいところもある。そのせいもあるが街の景観はあまり美しくはない。

感心したのは、太い掃除機のホースで街中のゴミ吸い取る小型自動車で、歩道にも乗ってゴミを吸い取っていた。そのおかげか、街全体にゴミは少なくきれいである。

空港からはエアポートシャトルで、ユニオン駅近くのホテル(フェアモント・ロイヤル・ヨーク)まで快適ではあったが、渋滞で50分かかった。片道27ドルちょっと。

ホテルは会議場に近いので選んだ、一応最高級ホテルだが、アメニティが揃っていない。歯ブラシ、スリッパはない。また、驚いたことに冷蔵庫に鍵がかかっていて、飲みたいものがある時は連絡して開けてもらう必要がある。自分で冷やしたいものがあるときは、15ドル払って別の冷蔵庫を運んでもらうとのこと。

また、どういう理由かわからないが誤って最後の日の予約がキャンセルされており(こちらからは何も変更の連絡をしていないのに、である)、それは困る!と、部屋は確保してもらったが、最後の日に部屋を移動するハメになった。他の日本人宿泊者にも、そういう事態があったとのことで、システムに何らかの問題があると思われる。しかし、朝に部屋にトランクにパッキングしておけば、次の部屋に運んでおくと言われて、半信半疑だったが、ちゃんと部屋が確保されており、ちゃんとトランクが部屋の台に乗っていたのには、日本では当たり前なのが、外国では妙に有難いと思うのである。しかし、全般的には、フロント、スタッフの対応は行き届いている。

到着した日は、まずWomen in AIPPIに出席したかったが、渋滞で到着が遅れたので、夜のCultural Eveningから出席。会場はいくつも広い部屋があるThe Liberty Grand。文化的、というのは何が文化的かというと、バレエのコスチュームでスケートをする体格のよい女性の踊り?、カウボーイスタイルでカントリーウエスタンみたいな踊りを踊る女性たち、といった、ちょっとクエスチョンなものだった。

9月16日(火)

日本部会の委員長を務めたコミティーQ239(マドリッドプロトコルに基づく国際出願の基礎要件について)に出席。

(国際会議報告「議題239:マドリッド制度に基づく基礎標章の要件」「AIPPI」(JAPAN)2014.12を参照ください。)

その後、時間が空いたので、まず、CNタワーに上がってみる。展望フロアからの眺めが、特にオンタリオ湖の方が、すばらしい。その後、湖畔まで行ってみる。ショッピングできる場所があるが、買いたいものは何もなかった。湖畔の景色は美しく、のんびり眺めている人々がいる。ホームレスのような人はあまりいないが、時々、明らかに貧しい人が歩いている。


019b74509003453d4e4923e83e53706b311
Photo_3


午後は、係争におけるアンケート調査についてのWorkshop を聞く。

夜は、AIPPI JAPANのメンバーとオイスターバーで会食。ウエイターさんが元気がよく、各地のオイスターはとても新鮮でおいしい。ワインとともに。

Photo_5


9月17日(水)

午前は、フリーライド・寄生のWorkshopを聞く。

その後、午後の会議(ExCo)までの間、街を歩く。

まずは、オンタリオ美術館を目指し、朝抜きだったので、その近くのチャイナタウンで湯麺を食べてから美術館に行ったが、展示作品が多いようで中に入ってじっくり見る時間はなさそうなので、ショップでカードなどを買う。美術館のショップというのは、ちょっと変わったものがあるので、いつも各地で寄るところである。帰りは、トロント市庁舎を眺められる広場を経由して戻ってきた。

ファイナルパーティーには、シルクドソレイユがやってくるとのことで、テーブルは一人分空いていた前の方の席を確保。知らない同士、楽しい会食となった。

Photo_4


特にスイスの事務所の夫婦の奥様が、4か国語に堪能(スイスでは当たり前とのこと)とのことながら、性格的に、とてもゆったりとした英語で話され、とても寛げたひと時になった。もともと旦那様はドイツ人、奥様はフランス人、高校の時に交換プログラムで知り合い、それ以来、結婚30年、奥様はワインの仕事もされているようだが、旦那様の深い愛情に包まれているのが、とてもよくわかった。

偶然、同テーブルのイギリスの弁護士が、お互い会ったことがあるな~と思いながら、最後に帰るときに、かつて弊所に訪ねていただいたことを思い出した。長年の間に、多くの方に会っているので、お互い名前は忘れてしまっていることがあるのだが、こうした再会も、また、新しい方のとの出会いも楽しい。

9月18日(木)

会議の後、オフィス引越直前の事務所には申し訳ないが、最初から申し込んでいたナイアガラツアーに行く。トロントまで来たからには、ということで。

バス4台で会議場から9時出発のはずが、4台目のバスが来ない、とのことで、出発が30分以上遅れる。高速は、反対車線は未だ渋滞とのことで混んでいたが、ナイアガラ方面は空いているのと、バスと2名以上乗っている乗用車は優先レーンを通れる。これはよいシステム。

途中、太陽の光に輝くオンタリオ湖を左に見つつ、ガイドさんが、オンタリオは、beautiful shining waterの意味とのこと。まさに。ガイドさんは70歳くらい(?)に見えるスリムな女性で、解説が充実していて、また明るく元気で楽しかった。

ナイアガラがワインで有名とは知らなかったが、広大はワイナリーがある。40年前はブドウ(コンコード)がよくなかったとのことだが、今はブドウの品種を変え、また土地がミネラル分に富んでいることと、地形がブドウ栽培に適していることから、品質が良くなったとのこと。アイスワインが有名で、ランチにも出てきた。

ナイアガラの景観は、やはり一生に一度は見るべきだろう。もちろん日本の滝の景観にはない壮大なものである。高低差については、もっとあるのかと勝手に想像していたが、滝の横幅が広いことが圧巻である。特に、湾曲したフォルムのカナダ滝。

01c71fb30642732eb3c48ae313c56743245

薄いビニールの雨合羽をもらってかぶり、滝のそばまで迫る観光船に乗る。しぶきがかなりかかるが、びしょ濡れになるほどではない。気温はトロントより若干低いが、寒いというほどではなかった。薄での長袖&コートまたはジャケットで問題ない。靴は歩きやすいものがよいが、観光船に乗るだけなら、たとえハイヒールでも問題ない。

ランチはカナダ滝が落ちる地点を眺められるTableRockのレストラン(Elements of the Falls)でランチ。しかし、われわれ団体が入ったことがあり大混雑で最後のコーヒーまで行き着かず集合時間に。みやげ物店を見る時間もなかった。こういうところが団体ツアーのきらいなところだが、楽ちんなので仕方がない。

0164a0c0ef5f1e6b8ee0395c91bd8bc3a43

バスでちょっと移動して、ナイアガラ・オン・ザ・レイク、という、おみやげ物店の街、といったかんじのきれいな街を散策。途中の家並みは非常に整っている。大きなおしゃれな外観デザインの家、広いアプローチと庭。豊かさを感じさせる。ワイナリーのブドウ畑も広大である。街では、ワインショップで、おみやげ用のアイスワインの小さいボトルのセットを買ったが、他に、インテリアショップ、ファッションショップとも、特にぜひ欲しいデザインのものはなかった。写真は、ケーキ屋さんのショーウインドウで見た目はかわいいがとても食べられるとは思えないお菓子。

Photo_6


ツアーでは日本人は以外に少なかったが、各国の人も、けっこうお一人参加が多い。一人で参加の中国の女性弁護士や南アフリカの大手事務所の弁理士とバスの席で隣り合わせて話した。

9月20日(土)

帰国。羽田から引越先のオフィスに直行。そのまま皆と合流して、引越作業。

皆さん、遅れてごめんなさい!ってことで。

|

ヘルシンキの国際会議(AIPPI)

今回は、AIPPIの委員会(商標の周知性判断における関連する需要者について)の委員長をしていたこともあり、delegateとして参加。初の北欧への旅行。折よくJALの直行便が7月から運行しているので、フライトは10時間以下。

 

9月6日(金)

フライト隣席はノルウェー人だった。ヘルシンキ乗継でオスロまで2時間とのこと。空港からホテルまでのタクシーの運転手さんもそうだったが、北欧の人は大柄ながら物静かな印象。

 

東京は相変わらずの暑さだったので、北欧との気温差を警戒してニットまで持っていったが、ヘルシンキは、気温は日中20度と高くないものの、カンカン照りで暑いくらいだった。日陰は涼しく湿度は低い。現地の人は「まだ夏」と言っていて、オープンカフェや芝生では太陽の光をたっぷり浴びて、紫外線をまったく気にしない様子。日傘をさしている人は皆無である。寒いかも、とばかり考えていて、帽子を持ってこなかったことを後悔。人々の影が長くて大きくて、太陽が低い異国に来ていることを実感する。

ヘルシンキの街は小さく、歩いて回ることができる。海辺の美しい街である。トラムとバスが完備している。トラムは昔の東京の路面電車を彷彿させる(というと、トシがばれますが)治安は夜であってもまったく安全。大道芸人が目につくが、ホームレスのような人はほとんどいない。ワインボトルに水を入れて演奏している人が人気だった。

Img_0886_2

Img_0924_2

夕方早めにホテル(Kamp)にチェックインしてから、会議場に参加登録に行く途中で、Forumというデパートの中にあるムーミンショップと、ちょうど第1金曜の17時からは無料となる国立現代美術館キアズマに立ち寄った。美術館の入場料は通常は10ユーロ。17時前に無料目当ての人々がたくさん待っていた。内容といえば、ちょっと理解がむずかしい現代アートや、がらんどうの空間や、ということで、これを鑑賞に10ユーロは高いかも。スペースをふんだんに使える場所ならでは、というかんじ。壁に貼ってあった感想文の中にも「Waste of space」とあったり。しかし、ガラス張りの館内から会議場(Finlandia Hall)に至る広い芝生の広場や隣のミュージックセンターを臨める開放的な空間である。

Img_0881_2

Img_0879_2

夜は初体験のトナカイ料理をLAPPIにて。民族衣装を着た陽気なウエトレスさんが楽しい。ラップランドからのoriginal tasteとのこと。ビールのジョッキも料理の皿と量もでっかい。干し肉、煮込みなどのトナカイの肉自体は、、大好物になったとは言えませんでしたが。

Img_0882_2

Img_0883_2

ホテルについて一言。歯ブラシはないです。ホテルのバーは遅くまでやってました。2日目の晩は、ちょうどオリンピックの東京招致が決まったときで、外国の方からは口々に「おめでとう」と言われました。

 

9月7日(土)

AIPPIWorking CommitteeQ234、前記委員会のお題)に出席。各国の委員会から上がった報告に基づいて作成されたResolution のドラフトを各国代表の意見により修正していく。

 

その後、夕方まで時間が空いたので散歩。まず、ストックマンのデパ地下スーパーで朝食用のバナナ、トマト、ジュースなどを買う。広くて食品の種類は豊富で量も豊富で、この国の豊かさを感じる。

Img_0885_2

ウスペンスキー寺院(開いていない。土曜は14時で閉まる。)、ヘルシンキ大聖堂、エスプラナーディ公園、と回ってホテル近くに戻ってきた。ホテル周辺に、テーブルウエアの有名ブランド、イッタラ、そして大好きなマリメッコのお店がある。しかし、いずれも17時で閉店。また翌日の日曜は、ほとんどのお店がお休み。ヨーロッパは、まったくもって買い物に不便だが、日本もペースを落としてこの余裕を見習うべきか。

Img_0895_2
ヘルシンキ大聖堂

夜までの間、ちょっとフィンランドのテレビを見てみる。歌番組をやっていたが、みな歌唱力のある大人の歌、というかんじで、AKBのような少女のグループは出てこない。民族舞踊のようなダンスも楽しめる。

 

夜はホテル近くのレストランでビュッフェ。サンタクロースが登場。そういえば、サンタの故郷の国だっけ?生バンドで久々に踊る、というか運動した。

Img_0908_2

9月8日(日)

私がもう一つ属しているWorking Committee (Q212)のミーティングに出席。ここでは、オーストラリアのPlain Package の問題を議論。この法律はタバコのパッケージに対する規制で、ロゴや色彩を用いた商標を表示してはならず(限定された範囲で文字商標は表示できる)、健康被害の警告表示を義務付けるもの。日本グループでも、この問題について一回会合を開いて討論したが、タバコについては、このような法案が通ることは想定できない一方、医薬品の名称については特許庁で商標登録できたとしても厚労省の規制により使用できない場合が多いので、その点について指摘している。

 

午後はQ234Resolution について更に議論され、電子投票システムにより、更なる修正と最終案の採択が可決された。

 

夜は、House of Nobilityという建物のサロンで、Ms. Laura Mikkolaというピアニストのミニコンサートを鑑賞。室内にはフィンランドの貴族の紋章が壁一面に飾ってある。プログラムはショパン、シベリウスとバラエティある中、馴染みのあるベートーベンのソナタ「月光」は、こういう場所で聞くと格別である。

Img_0919_2

コンサートのあとの立食でシンガポールとイタリアの弁護士と話していたとき、なんで音楽用語は全部イタリア語なのか、という疑問が出て、イタリア人も答えられなかった。歴史的な理由だと思うが、発音しやすい、ということがあるかも。

 

全般的にAIPPIは、出席者数が多くなりすぎたINTAと比べれば小規模で、人との交流が図りやすいところがよい。

 

9月9日(月)

仕事がたまるので、一応Committee関係の義務は果たしたということで、最終日のファイナルパーティーは諦めて帰国。午後のフライトだったので、肩凝り解消のため、ストーンマッサージというのを試してみる。そのあとフィンランド式のサウナにもちょっと入ってみた。マッサージが効いたのか、帰りのフライトはそれほど疲れを感じなかった。

 

帰りの空港までのタクシーの運転手さんはソマリア人だった。内戦の国から逃げてきて、ヨーロッパ各地に家族が散らばって住んでいるという。フィンランド人の運転手さんと違って、すごくおしゃべりで楽しかった。ヘルシンキに7年いるが、非常に安全で満足とのこと。フィンランド語はむずかしくなかったかと聞くと、ノープロブレム、日本語だって東京に1年住めばすぐに覚えられる、東京に行きたい、呼んでくれたらすぐ行く、という(笑)。もっと若い子じゃないとね、というと、若い子はお金持ってない、ぼくも持ってない、困る、だからOldな人がいい、だって(苦笑)。東京は二グロでもだいじょうぶか、と自分で言う。そんなこと気にするんだ、とちょっと悲しく思いながら、問題ない!と答える。

 

ところで、フィンランドではチップを気にする必要がなく、タクシーは全部カードでOK。完全なカード社会で、現金はほとんど必要ない。

 

|

その、ひと言に救われる

本日はピアノの発表会。2年前に、老化防止のために?レッスンを再開して、2回目の発表会。 

 

今回は直前の週に出張が入ることがわかっていたし、相変わらず週末くらいしか練習ができないので、あまり気が進まなかったのですが、先生から、「今回は銀座のヤマハホールで、めったに弾けないとこだから」ということで、参加することに。

曲は、大好きなバッハ、イギリス組曲3番から。

自分としては練習時間を取り、直前練習では、ほぼ完璧!と思ってたのですが、案の定、本番では、練習で間違えないところを間違えるもので、何か所も音をはずしてしまった。練習の成果があったとしたら、間違えてもノン・ストップ。一応は止まらないで最後まで弾けたことでしょうか。 

しかし、練習時に比べたらあまりに不出来でがっくり。

休憩時間に化粧室に行って、もう後半の演奏は聞かないで帰っちゃおう、と思っていたところ、おしゃれな女性に声をかけられた。

「さきほどバッハを弾かれた方ですよね。ステキでした。私、バッハが好きで。」

「え!?ボロボロでしたよ」

「いえいえ、落ち着いて弾いていらっしゃいましたよ。」

これにはウルウルきちゃいました。ありがとうございます

 

聞けば、だんな様が後半に演奏されるということで、これは聞かなくちゃ、と、すっかり気を取り直して会場に戻りました。

その、ひと言に救われる、ってありますよね。

ホールのコンサートピアノは音色とタッチがすばらしく、わ~また間違えちゃった、という緊張の最中でも、一時、気持ちいい~と音楽に酔うことがきました。いつもこういうピアノで練習できてればな~。弘法じゃないから筆を選ぶってことで。

後半の、その彼女のだんな様はショパンのスケルツォで超難易度の高いものを弾かれてました。こういう演奏を日常聞いておられるとは・・

その前の演奏の方が白いドレスもショパンのマズルカの演奏もすばらしかったので、帰りのエレベータでお一人で乗っていらした時に、「すばらしい演奏でした。ドレスもすてきです。」と私も声掛け。「いえいえ、ぜんぜんだめでした。」とご謙遜。その方は私に慰められるレベルの方ではなかったですが。

|

ある別れ

友人の会社社長が、9月8日に亡くなられた。享年62歳。

ビル清掃が主な業務の会社だが、ハウスクリーニングやリフォームでお世話になり、家族や共通の友人ともどもパーティーしたり旅行に行ったりした楽しい思い出がある。

お互い小規模経営者ということで(といっても、その会社の方がよっぽど大きいですが)経営者としてのグチを聞きあったり、アドバイスもらったり。

とても人柄のよい方で、営業力もある方だったが、やはり経営者ストレスのためか何年か前に肝臓の病となり、それ以降も強い意志による節制によりお元気だったが、ついに。

息子さんが会社を継がれるとのこと。後継者はたいへんだと思いますが、父上と同じ性格であれば成功されることでしょう。

|

南場智子氏の「不格好経営」

同じ大学の出身ということで以前から注目していた南場智子さんの自伝ということで、夏休みの読書第一号としました。

考えてみれば当然のことながら、一番驚いたのは、DeNAが超優秀な人材の集まりであり、南場さんがこれと思う人を口説き落としてチームに引き入れてきたことである。職種にもよるかもしれないが、自分より優秀だと考えられる人を何人も引き入れた結果、統率できなくなるリスクがあると思うが、そんなことを恐れない胆力が感じられる。

あえて失敗談をいろいろと開示していただいているが、(私だったら)胃が痛くなるような大ストレスを乗り越えて来られたことがわかる。

南場さんは最初から経営者になるべく境遇が恵まれていたわけではなく、最初の第一歩は、大学で全学でひとりだけ留学できる奨学金をとるべく勉強に励んだことにあると思う。そこから、好成績⇒留学⇒就職試験での高評価(おそらく)⇒マッキンゼー⇒MBA取得、という、いわばエリートコースに乗ったが、最初は普通の女子大生。同じく普通の女子大生だった私は、大いに来し方を反省させられる。もっと、若い時に努力できたのではないかと。

知財関連では、大手からの資金提供の条件として、特許を侵害していないことのクリアランスを求められた際に、弁理士に断られたので、自分でやろうとしたのに驚いた。しかし、こういう場面でもし弁理士が依頼を引き受けた場合(私は商標専門なので、あくまで推測だが)きっちりと行うには、かなりの時間と費用がかかりそうである。また事業内容を一番わかっているのは本人なので、弁理士がそれを聞き取りして行うよりも効率はよいかもしれない。

エピソードでは、「ペーパータオル1枚で手は拭けます」に笑った。備品の節約の話なのだが、わが事務所でも、トイレにペーパータオルを置いているところ、こちらは節約というよりは、ペーパータオルを多く使うとゴミ箱がすぐにいっぱいになってしまう、ということがある。そこで、「私はペーパータオルは1枚で手が拭けるますよ」と言ったところ、事務所のパートナーが、「それって特技ですか?」

|

ゲームリテラシー=ITリテラシー

仕事のほかに目の疲れることは避けた方がいいし、ということで、暇つぶしにもゲームはしたことがなかったところ、夏休みに親戚の子供達と一緒に旅行して、彼らが夢中のゲーム機について、ちょっと教えてもらいました。

「ここを押して、こうこう、わかった?!」という小五女子の説明の仕方は、簡略すぎて分からないところが、私のプライベートにおける不親切な道案内などと一緒で血のつながりを感じるなあ。(仕事においては懇切丁寧を心がけております。)

彼女は前にも、私のケータイを見せて、といって、私が使ったこともない機能で飾り付け画像作ったり。つくづく世代の差を感じます。はじめて見る機器でも直感的に操作できるんですよねー。

この子たちのゲームリテラシーは将来のITリテラシーにつながる、ってことで、あながち「遊んでる!」って制限することないのかもなー、とも思ったり。また姉弟で、「なんだ、こんなことも知らないの?」と互いに情報交換。親によると、それぞれ友だちからも知識を得るので、情報量は倍、倍で増えるとのこと。

最初からネット環境で育った子供というのは、われわれアナログな遊びしかなかった旧世代とは別人種かもですね。

|

五感と、我が唯一の望み

先日、移動時間の合間に国立新美術館で「貴婦人と一角獣」展を鑑賞。

フランスの至宝、パリのクリュニー中世美術館の至宝「貴婦人と一角獣」の6面1組のタペストリーが奇跡の初来日とのこと。美術館のキャッチどおり、うっとりしました。

西暦1500年頃に制作されたと言われる6面のタペストリーは、それぞれ「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」「視覚」と人間の五感を表すとされ、最後の1面「我が唯一の望み」の意味については、「第六感」「心」等、解釈が分かれているとのことです。

ところで、絵画において「視覚」以外の、「触覚」「味覚」「嗅覚」「聴覚」を暗示する、というのは、現代においても、おもしろい試みではないかと思います。

商標についても、五感ブランディングと、視覚以外にも関心が払われるようになったのは比較的最近のことといえます。日本でも、「嗅覚」については、匂い(香り)の商標、「聴覚」については、音の商標(サウンドロゴ)が次回の商標法改正で導入されると考えられます。「触覚」「味覚」については、商標として保護する必要があるかは要検討ですが、人間の感覚としては等しく重要なことだけは確かですね。

ところで、6面目の「我が唯一の望み」(天幕上にその文字が入っている)は、やはり、最愛の人、を意味するのではないかな、と私は思います。

Photo_2

|

メリークリスマス

Photo

妹プレゼントのサンタの楽隊

毎年そう思うが、今年も街中のクリスマスイルミネーションを楽しむ前にクリスマスが行ってしまうような。その上、先週のハードスケジュールがたたって、なんだか珍しく不調で休養中。

土日 弁理士女子会でお台場にお泊まり。気楽な仲間とのおしゃべりが楽しかった。ディナーは、仲間の一人が50%OFF券を持っていたので、豪華フレンチとした。

月 九州から後輩弁理士が上京してきてカニ鍋で会食。九州は特許専門の彼が商標もやっているということで、何かコラボができないでしょうか、とのこと。

火 大学とのコラボの話で、大学の先生と、美々卯のうどんすきで会食。

水 判決研究部会の忘年会で、中華。

木 夜講義で、この日だけはさっぱり夕食。

金 大学院のゼミの忘年会。この日は会場取りが困難で知り合いのお店で軽く、と思ったら、一同軽すぎて、その後塩ラーメンやへ。。

土曜は休み、家でカキ鍋。

日 イタリアンのクリスマスディナー。

というわけで、要するに胃腸と肝臓がくたびれたような。

家で休養するときに気分が明るくなるアイテムをご紹介。イギリスの新進デザイナーの作品から作ったクッション。カラフル好きなので一目惚れ。

Photo

スリッパはリーズナブルなアジア製。ビーズがキレイ。

Img_0145_800x598

|

ソウルの国際会議(AIPPI)

1020日(土)

仁川国際空港から会議場のあるCoexまで1時間半くらいかかって、ホテル、Park Hyattに到着。エアポートリムジンに乗ったのに、ホテルまで行ってくれず、近くのリムジンバス乗り場で降ろされたのはちょっとびっくり。ここからはタクシーで行け、という。ホテルは小規模で落ち着いた雰囲気。サービスもよい。日本語が話せるスタッフもいる。廊下にはモダンな書のアート、部屋は全面ガラス張りで、片道6車線の日本では考えられない広い道路の交差点とCoex全体を見下ろせる。

その晩は、かねて親しい韓国の法律特許事務所の商標部ヘッドのK弁理士、Y弁護士と会食。その中で、偶然、日韓親善に資する話になった。「キムチ納豆」(Kimchi-Natto)。納豆にキムチを混ぜると最強の健康食になるということで話題に上ったのだが、図らずも、このK-Nコンビは、KoreaKNipponNK-Nでもあり、またまた偶然ながら、K先生たちの事務所の頭文字のKと弊所の頭文字のNとも一致!ということで、K-Nで盛り上がったというわけです。英語と日本語が両方堪能で超エリートのY弁護士、英語ではこういう話はできないですね、と言われる。

Y弁護士は日本の週刊誌ネタまでご存じなのはびっくり。ある言語を習得するということは、その文化的な背景までそっくりウォッチする、という姿勢はすごいと思う。方や、自分の国の判例を追っかけるので満足しているようではダメだ、と反省させられる。K先生は日本語が完璧と思われるが、日本人が飲食店で店員にいろいろと指示している言葉は聞き取れないことがあるという。韓国では、焼肉店でもいろいろと細かく指示しているように聞こえるが、K先生、外国語の場合、こういう店への細かい指示が一番むずかしいのではないかという。それはそう思う。あまり言葉が通じなければメニューどおりのものしかゲットできないが、できればこそ、いろいろと注文ができるというもの。

私はハングルの音がやっと読める程度だが、先生たちのように、これからでも、記憶力が完全に減退する前に、集中してやってみようと思う。

 

1021日(日)

本日は一日観光。快晴に恵まれた。ソウルの平均気温は東京よりも5度低いので寒いと思っていたが、上着は不要で、ノースリーブの人もいた。

バスでの団体ツアーはあまり好きではないが、会議登録料に同行者一人分のツアー料金が含まれているということで、連れと一緒に参加。

ナムサンゴル韓屋マウル(伝統的な邸宅を移築した公園)⇒Nソウルタワー⇒徳寿宮(トッスグン)⇒南大門市場 と回った。

201210_4

以前にソウルに来た時に案内してもらっていたので、今回初めてだったのは最初の公園だけだったが、英語のガイドさんの説明が楽しめた。

南大門市場では、文化遺産の南大門が放火により焼失してしまったが再建中とのこと。市場を歩いていると、何もしゃべっていなくても、やはり日本人とわかるのか、「ニセモノあるよ」(ニセモノの山なのは驚きである)とか「ノリが呼んでるよ」(定番の韓国海苔)とか、日本語で話しかけてくる。

ツアーで一緒だったインドネシア人の女性が、私の靴を見て、「ステキな靴ですね」と日本語で話しかけてきた。日本が大好きで、日本語も少しできるという。日本のものは何でも大好き、ものだけでなく歌も好き、と言って「千の風になって」「見上げてごらん夜空の星を」を口ずさんでくれる。日本の世界的な地位低下が著しい中、このように言っていただけるのは涙が出るほどうれしい気がする。以前は国際会議に出ていても日本人であることを誇らしく思えたものだが、今はなんだか隠したくなるようなご時世。どうしてこういうことになってしまったのか。

1021日(月)

昨日と打って変わっての大雨の中、今回の出張のメインの目的である、AIPPIコミティーミーティングへ向かう。様々な国から初対面の人同士がほとんどという中、進行役のスイス人弁護士が手際よく進め、時間通りに1時間半で終了。

一つのトピックとして、オーストラリアが法制化したタバコのプレーンパッケージング(タバコの包装には需要者が誘うようなロゴ商標や図形商標を使えない)があるが、日本ではまず法制化されることはないと思われる。またタバコについては関心がないとか、タバコ会社のクライアントはいない、ということで全体で盛り上がれる議論ではない。

IP Consultant vs. Levis事件の図形商標の使用については、欧州アトーニーが盛り上がっていた。

日本からの私の関心は、マドプロの基礎要件の緩和について。日本語、中国語、韓国語のように、欧米とは異なり欧文字以外の文字を使用する国では、自国語と欧文字を併記した国内登録を持っている場合に、国際出願する際には、外国では使用しない、例えば片仮名を併記した登録をもって、国際出願では欧文字部分だけを指定できればユーザーフレンドリーである。基礎登録と国際出願とは商標が完全同一でなければならないが、これを緩和することによって、国際出願用の基礎登録を登録し直す必要がなくなる。

夕方は韓国の大手の特許法律事務所のレセプションに行き、そのあと、創立50周年の特許法律事務所のハンガンのクルーズ・レセプションへ。夜景が美しかったが、クルーズの船上はとても寒かった。レセプションは船内で、女子十二楽妨を思わせる美人グループが伝統楽器で楽しませてくれた。今、大流行しているハンガンスタイルも披露。

その後、初日のK先生の事務所のレセプションの最後に顔を出して先日のお礼申し上げ、あとは日本人が集合しているという他の事務所のホテル最上階のレセプションへ。外国でしか合わない日本の弁理士の方々もけっこういるので、これもまたおもしろい情報交換の機会になる。

これは、今回おいしいと思った、あまり甘くないマッコリ。

201210_3

|

夏休みの読書

直接仕事と関係なく、また何かの原稿とも関係がない本を昼間の時間に読めるというのが、ちょっと長い休みの幸せ。今回は昨年から気になっていたが長いので読みそびれていた、2011年の直木賞受賞作「下町ロケット」を読む。

スローリーはご存じのように、中小企業が特許で大企業に対抗し、自社製バルブを日本製ロケットの部品に採用させて、ロケット打ち上げ成功にする、というものだが、弁理士としては特許に関係する部分を非常に興味深く読んだ。

ストーリーとは直線関係ないものの、一つ気になったのが特許弁理士は登場しないということである。たぶん、大企業の特許出願が、先行する主人公の中小企業の特許出願があったために認められなかったと報告にきた「三島先生」というのが弁理士と思われるが、極めて影が薄い。大企業との交渉前に主人公が巻き込まれた特許訴訟においても知財専門の弁護士のみが登場する。特許訴訟では、特許出願を担当した弁理士が代理人(知財訴訟の代理人資格を取っている場合)か補佐人として関与することが通常である。ストーリーとしてはよくできているが、肝心の特許の中身(先行権利とどの部分が抵触していたのか、などの詳細)は明らかでないので、この部分が書ける(あるいはアイデアを提供できる)のが特許専門の弁理士だと思う。

最後にロケットが飛ぶ部分、やはり感動した。

オレたちはやったんだ

こういう感動を味わえるのはモノづくりを直接やっている人たちなんだなあ、とサービス業の私はうらやましい。

次に、読書家の妹推奨の一冊、「八朔の雪ーみをくつし料理帖」。江戸物で女性の料理人がステップアップしていく物語。江戸物の料理物はちょっとしたブームで他にも出ている中、妹いわく、このシリーズがベストとのこと。

登場する料理のレシピが巻末に付いている。料理のレシピというのは保護はむずかしいが無体財産であり知的財産といえる。(文章になった料理のレシピには著作権があるが、アイデアは保護されない。俳句や川柳のように短くても創作性のある料理名は著作物と認められる可能性があるかも)

という無粋なことはともかく、「下町ロケット」と違う感動で涙が出たのが以下の部分。

おとりさまからの帰り、こうやって、あたりにある福を掻き寄せて、この熊手にくっつけて来たんだぜ。だから来年はお澪坊とご寮さんに、きっと良いことがどっさりさね

不幸の連続で、元奉公先の奥様と暮らす主人公の澪に、澪の性格や腕を見込んで雇っている蕎麦やの主人が寄せる無償の善意。トシ取ると、こういうのに涙腺がゆるみっぱなしなんである。

|

«知財仲間と高知、松山ツアー